高度を上げていくと重力加速度は…?
地上での重力加速度は9.80665m/s2で定義されています。これは万有引力の法則により、地球の質量と物体同士間の距離から導き出すことができます。厳密にいうと地球は完全な球体ではなく赤道付近が膨らんだような形なので、重力加速度も極付近が最も大きく、赤道付近が最も小さくなります。これを求める数式
g=GM/r2
G:万有引力定数 6.674×10-11m3/kg s2
M:地球の質量 5.972×1024kg
r:地球の半径 6371km
から求められるのですが、これらから計算すると重力加速度は9.82となってしまいます。検証のため、地球の質量を固定して逆算すると地球の半径が6375.18kmとすれば9.80665となります。
ここで飛行機が高度を上げていくと地球との距離が大きくなります。厳密にいうと飛行機の高度は気圧高度なので、正確な実距離ではありませんが、10,000フィートごとに重力加速度がどう変化するか検算してみました。
高度[フィート] | 地球の中心からの距離 | 重力加速度 |
10,000 | 6378.22km | 9.79731 |
20,000 | 6381.27km | 9.78795 |
30,000 | 6384.32km | 9.77860 |
40,000 | 6387.37km | 9.76926 |
1万フィートごとに0.01ほど減少していきました。
微分を行うことでこのあたりの逓減率を調べてみるとやはり10,000フィートごとに0.009m/s2の減少で間違いなさそうです。