空と科学とファンタジー

主に飛行機に関する科学について書いています

単位系

世界のほとんどの地域の航空機に使われている単位系は、メートルやキログラムなどを使用する国際単位系ではありません。高度はフィート、距離は海里(NM: Nautical Miles)、重さは主にポンドを使用します。

海里は地球の緯度1分(1°の60分の1)であり、航空図はこの目盛りが記されています。地球をどのくらいの速さで進むのか測るのには合理的な単位であるといえます。欧米の道路などで使われている距離マイルと異なり、区別するときに、それぞれ海マイル、陸マイルと呼ばれることもあります。以下のようにその距離も違います。

1NM = 1852m(小数点以下なしに正確)

1mile = 1609.344m

そして飛行機で使用する速度の単位はノット(knot)、(表記:kt、KT(計器速度のときKIASと表記されることがある。))これは1時間に進む海里、つまりNM/hのことです。

空の世界では高さの単位がフィートですが、中国やロシアなどではメートルを使用しています。巡航高度は1000フィート単位(厳密にいうと決まった飛行方式)で、東向きなら奇数、西行きなら偶数といった具合に東西で入れ違いになっています。以前の記事に書いたように、標準大気での気温減率が1000フィートにつき2℃というのは、偶然の一致なのか知りませんが、計算しやすくて助かります。メートルを使用している国での巡航高度は約300m毎(約1000フィート)となっています。

中国やロシアで使用している飛行機の高度計がどうなっているのか気になるところです。比較的新しい飛行機ではフィート表示の横にメートル表示もできるようになってはいますが。

どれくらいのレートで上昇降下しているかを示す計器Vertical Speed Indicator(昇降計)はfpm(feet per minute:フィート/分)です。ちなみに中国での管制では時々、「〜以上の降下率で降下しなさい」という指示が来るのですが、この時はfpmで指示が来ます。