ヴァルキリーの変形とか…
マクロスに登場するヴァルキリーはアクロバティックなドッグファイト中にもファイター、ガウォーク、バトロイドと高速変形をしているが、宇宙空間では真空なので可動部分が空気塊による負荷がかかることはないだろうが、大気中ではそうはいかないはずである。
飛行機でもフライト毎に変形をしている。ギア(車輪)やフラップ(高揚力装置)の上げ下げがそれである。変形の際に空気圧による負荷制限のために、それらを動かす際の速度制限がある。しかもフラップに至ってはその変形に結構な時間がかかるのだ。
まあヴァルキリーにはオーバーテクノロジーが使われているのだろうから、そこは不思議な力が働いているということだろう。
飛行機の速度
※ 文中のTAS、IASについては前の記事参照
航法ではすべてTASを使用する。技術革新を繰り返し、各種誤差は電子的処理が可能なのだから計器にもTASを直接表示できるはず。実際、航空機搭載コンピュータでTASを表示させることはできる。だからと言ってメインの操縦計器上の速度がTASにはならない。IASはやっぱり飛行機の操縦にはメインとして必要なのだ。例えばギア(車輪)やフラップ(高揚力装置)を上げ下げするとき、可動部分に負荷がかかるのだが、空気塊がそのまわりにどれくらいの速度でぶつかるのか?制限を設けなければならない。その他、翼に発生する揚力はまさにIASが指標となる。
メインがIASゆえに管制でもIASでコントロールを行なっている。(高高度では別の指標も使われるがTASは使われない。)
機上や管制上のシステムを使用すれば、TASを意識することなく飛ぶことが可能ではあるが、Visual ApproachとMinimum Circlingという方式に至っては、パイロットがその飛行経路を考えなければいけない。これらは「航法の集大成である。」と言った人もいる。それゆえこの方式ではTASでの計算をあらかじめしておかないといけないのである。
ただざっくりとした計算でいいのだが、風がどっちからどれくらい吹いているか?によって調整する量も知っておかないといけない。
Webページ Data Flight Web ではその検証ができるようにしています。
TASへの変換(2)
前回のまとめ
IAS→CAS→EAS→TAS
と誤差を補正していくことを説明しました。すべての誤差補正が電子的に内部で処理されるとしてIAS→TASへの変換について説明を続けます。
飛行機の高度が上がっていくにつれ、外気圧は低くなり、気温も下がってきます。標準大気を基準としてTASを求めることになります。
飛行機の速度はノット(表記:Knot、kt)を使用します。この単位系についてはまた後日書くと思います。
空気の塊に同じエネルギーでぶつかっていくイメージで考えるとわかりやすいと思いますが、空気密度が小さくなるにつれ、そのぶん飛行機は速くなっていきます。上空ほど、また気温が暖かいほど空気密度は小さくなります。
高度1000フィート上昇するにつれ2%、そして標準大気との温度差1℃上がるにつれ0.2%速くなります。したがって数式は以下のようになります。
TAS=IAS(1+高度[ft MSL]/1000×0.02+標準大気との温度差[℃]×0.002)
標準大気とは
速度計について説明を続けていく前に標準大気について説明しなければいけません。
地球上の空気は物理法則に従って、地上から上空に行くに従って、その密度は薄くなっていきます。その変化は地表面からの高さに比例しません。よってその気圧も高度に比例しないことを意味します。また高気圧や低気圧といったように場所と時間で大気圧は変化します。また空気密度は温度によって変化します。
そういったパラメータが安定しないものには基準となるものが必要なので、1924年に「標準大気」というものが定められました。
標準大気とは、以下の性質を持つ仮想(平均的)大気である。
- 海面上の気温15℃、気圧1013.250hPa(29.92inHg)
- 平均海面上高度11,000mまでは1,000m上昇毎に6.5℃の割合で気温が下がり、11,000m以降では-56.5℃一定。(フィート単位では1000ft毎に2℃下がる。国際単位系ではないほとんどの航空機の高度の単位はフィートだから、こっちの減率が計算しやすい!)
- 重力加速度9.80665m/s2
- 空気中に水分は含まれない乾燥した大気。
速度計や高度計、航空機の性能などはこの標準大気を元に設計されています。
TASへの変換
Webサイト Data Flight Web の立ち上げで、まず試験的に作ったページがIASからTASへの変換です。まったく知識がない人向けにもわかるように説明します。
IASとはInstrument Air Speed(計器速度)
TASとはTrue Air Speed(真対気速度)
厳密にいうとこれらの間に別の速度が入ってきます。順に説明していくと、IASはそのままコクピットの速度計に表示される速度です。パイロットはこれに基づいてナビゲーションなど行うわけです。速度計がなければ飛行機の速度を正確に知ることはできません。ここで計器は人間の作った装置である以上、表示誤差がありますが、その誤差については計器の中で補正されているものと考えられます。
次にCAS(Calibrated Air Speed:修正対気速度)「静圧誤差」と「ピトー管取り付け誤差」を補正したものです。
ここで飛行機の速度計のしくみについて説明します。飛行機の機首あたり(旅客機であればコックピット窓の下あたり)に前方に突き出るような管があり、それを「ピトー管(Pitot Probe)」と呼びます。そして飛行機の横っ腹に穴が開けられていて、それを「静圧口(Static Port)」と呼びます。飛行機が動くとピトー管には空気が入ってきますから、その分だけその管内の空気の圧力は大きくなっていきます。これを「動圧」と呼びます。一方、横っ腹に空いた穴から測定される圧力は、飛行機の速度に関わらず外気圧と等しくなります。これを「静圧」と呼びます。
飛行機の速度はこの動圧と静圧の差から計算されたものです。このしくみは小型機から大型機まで基本は同じです。
ここでピトー管の取り付け位置が変われば胴体の形などに影響されて多少は変化してしまうので、「ピトー管取り付け誤差」というものが出てきます。Static Portも同様です。
この誤差を修正したものがCASというわけです。
EAS(Equivalent Air Speed:等価対気速度)
速度が速くなりすぎると、空気が圧縮されて正しい値を示さなくなります。CASにこの空気の圧縮性誤差を修正したものがEASです。
そして速度計は空気の密度も補正しなければならず、温度によって補正されます。EASにこの密度補正をすることによってようやくTASとなり、これが空気に対する真の飛行機の速度です。
旧型の速度計であればこれだけの補正を行わなければいけないわけですが、実際には機内のコンピューターを介して電子的に処理されるため、CASとEASはすでに補正されたものがIASとして計器に示されると考えています。
長くなったので続きは次回の記事で。
Nintendo Switch VR
Switch版ゼルダの伝説BoW、スーパーマリオオデッセイが4/26からVR対応となった。
先だってVR Kitを購入していた。
Nintendo Labo VR Kitを入手するにはToy Con04の商品が必要だが、フルセットとちょびっと版がある。
フルセットはいろいろと楽しめそうだけど、とりあえずゼルダのオープンワールドをVRで楽しみたいのが主目的だったので、VR Kitはちょびっと版を購入することにした。ちょびっと版にも2種類あったが、バズーカに興味があったのでそちらを購入。
Laboシリーズを購入したのは初めてで、ダンボールを組み立てるのは正直、めんどくさいと思っていたが、なかなか楽しい!
バズーカは期待以上に楽しめている。一人用だけかと思いきや、交代でプレイする方式で対戦ゲームもある。熱が入りすぎてトリガーはへこみ、グリップは汗でふやけてきたのでガムテープで補強しましたw
VR Kitの発売から2週間。ようやくゼルダとマリオがアップデートされてさっそく両タイトルを試してみた。
両方とも一人称視点ではないところが残念だが、VRワールドが広がっているのは感動もの!
ただ、いまのところVRセットを眼前に固定するベルトもないため、二つのJoy-conが必要なものであればSwitch本体にセットしなければならず、またどちらにしても手で支えておかなければならない。数分もすれば手が疲れてくるので長時間のプレイは難しい。
Nintendo Labo (ニンテンドー ラボ) Toy-Con 04: VR Kit ちょびっと版(バズーカのみ) -Switch
- 出版社/メーカー: 任天堂
- 発売日: 2019/04/12
- メディア: Video Game
- この商品を含むブログを見る
Blog開設!
すでに開設しているWebページを紹介から始めてみます。
タイトルは「Data Flight Web」
URLは https://dataflight-web.firebaseapp.com/
飛行機のこと、パイロットのこと、
その他、思いついたことを書いていこうと思います。